2012-08-05

仕立てのよい服

























電車で隣り合わせた年配の男性が「その人のための服」を着ていました

最初に目がいったのはシャツの袖口で個性的なカフス丈と素敵な飾りボタンでした
襟まで目を上げるとマオカラーのような高い襟で美しい仕立てです
その素材をよく見ると綺麗な光沢を放つ目の詰まった上品な生成り色のシルク生地で
かなり着込んでいるのか袖口の縫い目が少し薄くなった部分もありますが
綺麗にアイロンがかかっていて大切にしているのがすぐに分かりました

偶然にも同じ駅で降りたので、そおっと後ろから全身をよく眺めると
それはその人ぴったりに仕立てられたドレスシャツで、
これまた体系にぴったりと合ったスーツのパンツを履いていました
そのパンツもお洒落な形をしたフラップポケットがさりげなく片方にだけついており、
ベルト通しの細部まできちんとデザインがされていました
そして手に持ったジャケットがシワにならないように衿の後ろの部分を
丁寧に少しだけつまんで、背筋をピンと伸ばして歩いていました

その仕草と服があまりにも素敵だったので少しの間みとれてしまい、
あの上着のジャケットのデザインもよく見たかったなぁと後になって思いました
こんな暑い日でもスーツをきちんと着こなしている人、
そして素晴らしい仕立ての服を見ると嬉しくなり元気がでて
本当によい服は大切に着てくれる人を引き寄せる力があると気づきました