2011-03-22

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地震が起きてから、皆の心がひとつになってきているのを強く感じます

節電や節水はもちろん、人へ呼びかける言葉の大切さに改めて気付きます

そして本棚にある谷川俊太郎さんの「朝」という本を読み返しました

その詩を、一部抜粋して載せます


また朝が来て僕は生きていた
夜の間の夢をすっかり忘れてぼくは見た
柿の木の裸の枝が風にゆれ
首輪のない犬が陽だまりに寝そべっているのを

百年前ぼくはここにいなかった
百年後ぼくはここにいないだろう
あたり前な所のようでいて
地上はきっと思いがけない場所なんだ

今朝一滴の水のすきとおった冷たさが
ぼくに人間とは何かを教える
魚たちと鳥たちとそして
ぼくを殺すかもしれぬけものとすら
その水をわかちあいたい

「谷川俊太郎・朝/アリス館より」